2018~2021年度 日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(C) 
2018~2021年度 大谷大学真宗総合研究所一般研究(村山班) 
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項目
1.研究目的
研究概要
井上円了(1858-1919)と清沢満之(1863-1903)が東京大学においてフェノロサ(1853-1908)ら外国人を中心とする哲学教師から西洋哲学を学び、その後、それぞれ宗教哲学者として宗教哲学教育を理念とする東洋大学と大谷大学の創設者となったことは知られている。しかし彼らが東京大学で受けた哲学教育の実態は、当時の教師による講義記録や学生による学習記録がごく一部を除き未公開(フェノロサ以外の外国人哲学教師の講義録は完全に未公開)であることから明確にはなっていない。

本研究(研究メンバー間では「円満研究」と称したい)では、井上円了と清沢満之の遺稿から発見された東京大学在学時の外国人哲学教師の西洋哲学関係の講義録とそれに関連する学生の学習録の公開作業を通じて日本における西洋哲学の初期受容の一形態を解明し、あわせて、その後の井上と清沢の思想発展過程の一端を解明する。


研究目的

概要にも含まれていたものを敷衍して述べれば、本研究の目的は次の二つである。第一に、本研究の一次目的として、井上の遺稿に発見された井上筆記の哲学ノート(『稿録』「古代哲学」「最近世哲学史」「英国哲学書」「Philosophy」)、同じく清沢の遺稿に発見された清沢筆記のノート(「西方寺所蔵史料」のうちの手書きノート)に含まれるフェノロサ、ノックス(1853-1912)、ブッセ(1862-1907)ら外国人哲学教師の未公開の西洋哲学関係講義録、そして講義に関連する予習復習等の学習録を翻刻・翻訳して日本における西洋哲学思想の初期受容を明らかにする。第二に、本研究の二次目的として、井上と清沢が東京大学で習得した西洋哲学を卒業後にどのように展開し、それぞれ哲学館(東洋大学の前身)と真宗大学(大谷大学の前身)の創設者として高等教育にどのように適用したのかを明らかにする。
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