西洋哲学の初期受容とその展開
―井上円了と清沢満之の東大時代未公開ノートの公開―
2018~2021年度 日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(C)
2018~2021年度 大谷大学真宗総合研究所一般研究(村山班)
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項目
1.研究目的
2.研究計画と研究方法
3.研究組織
4.研究成果
研究成果(研究の進捗状況)
(2018年度)
編集作業
研究課題1aと1bに関して以下の作業を行った。(A)編集:ノートの翻刻・翻訳作業。この作業については、井上ノートを翻刻(翻訳)するメンバー(3名)と清沢ノートを翻刻・翻訳するメンバー(6名)を選出し、井上ノートについては「古代哲学 明治十七年六月 井上円了」「最近世哲学史」等の9冊のノートの翻刻に当たり、「古代哲学 明治十七年六月 井上円了」ノートの前半部分と「東洋哲学史 巻一(井上哲次郎口述)」ノートの全体の翻刻を公開した。清沢ノートについては、先行する科研研究(平成25年度~平成27年度)「日本における西洋哲学の初期受容―フェノロサの東大時代未公開講義録の翻刻・翻訳―」において翻刻・翻訳したフェノロサの「哲学(史)」講義の部分(カントまで)に続くフィヒテからシェリング部分の仮の翻刻・翻訳を作成するとともに、これまで日本では講義録の公開例がなかったブッセの「古代哲学史」講義の仮の翻刻・翻訳を作成した。
共同研究会の開催
以下の共同研究会議を開催した。
2018年10月13日(金)に、2018年度前期の研究進捗を確認公開する研究会(第1回研究会)に代わる機会として、井上円了研究センター2018年度第3回公開研究会にて村山保史が講演「聴講者ノートから見るフェノロサの哲学―明治前期東京大学における外国人哲学教師の資料調査より―」を東洋大学にて行った。
2019年3月18日(月)~19日(土)に、第2回研究会を大谷大学にて実施した。
合宿研究会の開催
2018年12月15日(土)~16日(日)に、国際井上円了研究センターが主催した「井上円了研究センター第1回合宿研究会」に協賛するかたちで、7名のメンバーが参加し、研究発表を行った。
公開講演会の開催
2019年3月18日(月)に、大谷大学で以下の公開講演会を開催した。講師:古荘匡義氏(龍谷大学文学部講師)、講題:「哲学と修養のコミュニティ:綱島梁川を中心として」)
。
(2019年度)
編集作業
2018年度に引き続き9冊の井上ノートの翻刻(翻訳)に当たり、『1-1-3-2 最近世哲学史』、『1-1-3-3Philosophy is meditation ...』、『1-1-3-4 英国哲学書』、『1-1-3-5 古代哲学』(の後半部分)、『1-1-3-6 心理学』、『1-1-3-7 論理学』、『1-1-6-2 稿録乙』、『1-1-6-6 仏書講録』、『1-1-6-11 雑稿』の全文を研究誌や国際井上円了学会「井上円了データベース」(https://www.toyo.ac.jp/research/labo-center/enryo/iair/33402/)に公開した。また1bでは、清沢ノートに含まれていたフェノロサの「哲学(史)」講義のヘーゲル部分の仮翻刻・翻訳を作成するとともに、ブッセの「哲学(古代哲学史)」講義の翻刻・翻訳を作成してその前半部分を研究誌に公開した。ノックスの講義録の翻刻にも着手した。
合宿研究会の開催
2019年11月30日(土)~31日(日)に、国際井上円了研究センターが主催した「井上円了研究センター第2回合宿研究会」に協賛するかたちで、5名のメンバーが参加し、研究発表等を行った。
共同研究会の開催
2020年2月17日(月)~18日(火)に、真宗大谷派西方寺および清澤満之記念館において共同研究会を開催した。
公開講演会の開催
2020年2月17日(月)に、真宗大谷派西方寺にて以下の公開公開講演会の開催した。講師:清澤聡之氏、講題:(真宗大谷派西方寺住職)「曾祖父 清沢満之」)
。
調査の実施
2020年2月17日(月)~18日(火)に、清澤満之記念館において清沢ノートおよび蔵書の調査を行った。
(2020年度)
編集作業
清沢のノートに含まれていたフェノロサの「哲学」(史)」講義のヘーゲル以降の部分の仮翻刻・翻訳を作成するとともに、ブッセの「哲学(古代哲学史)」講義の後半部分の翻刻・翻訳と、ノックスの「倫理学」講義の前半部分の翻刻を作成して研究誌に公開した。また、井上と同級生であった金井延の筆記による未公開のフェノロサ講義録(複写のみ入手しているもの。原本はイェール大学バイネッキ稀覯本図書館蔵)の仮翻刻作業を終えた。
(2021年度)
編集・出版作業
2021年9月に三浦節夫『チャレンジャー井上円了―自分の運命は自分で拓け―』(学校法人東洋大学)を出版した。また、清沢のノートに含まれていたフェノロサの「哲学」(史)」講義のヘーゲル以降の部分の翻刻・翻訳を作成し、2022年3月に『フェノロサ「哲学史」講義(続々)』として出版した。
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