表や図版を配置する場合、tableやfigureを使用すると、LaTeXはそれらの配置を自動的に決定する。
しかし、これらの環境を使用しても、左右の短い図表が続く場合にそれを横に並べるようなことは起こらない。また、図表の幅に対してキャプション(見出しや説明文)が長すぎると見栄えが悪くなるのにかかわらず、それを折り返すような処理も起こらない。
このような場合に、minipageを使用する。
¥begin{minipage}[pos]{width}
・
・
・
¥end{minipage}
オプション引き数(pos) | 意味 |
---|---|
t | minipage環境の最上行の基準線と本文の基準線とが合わせられる |
なし | minipage環境の天地中央と本文の基準線とが合わせられる |
b | minipage環境の最下行の基準線と本文の基準線とが合わせられる |
たとえば、図表のキャプションは通常左右中央に配置されるが、minipageのなかでキャプションを出力する場合には、minipageで組版された領域の左右中央に配置される。
また、minipageのなかでは、脚注番号も新しく始まり、そのminipageの最下行に出力される。
入力例:
¥begin{table}
¥begin{minipage}{5cm}
¥caption{男性}
¥begin{tabular}{|r|l|}¥hline
¥multicolumn{1}{|c|}{¥textbf{名前}} & ¥multicolumn{1}{c|}{¥textbf{身長}} ¥¥¥hline
A太 & 180cm ¥¥¥hline
B男 & 165cm ¥¥¥hline
C助 & 170cm ¥¥¥hline
¥end{tabular}
¥end{minipage}
¥hfill
¥begin{minipage}{5cm}
¥caption{女性}
¥begin{tabular}{|r|l|}¥hline
¥multicolumn{1}{|c|}{¥textbf{名前}} & ¥multicolumn{1}{c|}{¥textbf{身長}} ¥¥¥hline
D子 & 150cm ¥¥¥hline
E美 & 160cm ¥¥¥hline
F香 & 145cm ¥¥¥hline
¥end{tabular}
¥end{minipage}
¥end{table}
出力例:
例で使っているtableとは表を貼り込むための領域を確保する環境である。
単に「表を貼り込むための領域を確保する」だけなので、実際に表を貼り込んだり、どのような表が貼り込まれるかなど関係はない。
2つのminipageの間に記述された¥hfillは、2つの表の間を可能な限り広げるようにという指定である。
例では、table環境を使用してminipageを配置したが、文章中に記述することも可能。
このときオプション引き数を指定することで、ベースラインの位置を決めることができる。
minipageにオプション引き数を指定すると、次のような表現が可能になる。
下記の例では、引き数に指定した文字列を罫で囲んで出力する働きを持つ¥fboxを使用している。
入力例:
今日の天気は晴れ。
¥fbox{¥begin{minipage}[t]{4cm}
明日は一日中雨が降るだろうと天気予報で
¥end{minipage}}%
言っていた。
¥fbox{¥begin{minipage}{3cm}
明日は友達と旅行に行く予定だというのに、困ったものだ。
¥end{minipage}}%
そうだ!こんな時こそ、
¥fbox{¥begin{minipage}[b]{3cm}
てるてる坊主を作って明日晴れるようにお願いを
¥end{minipage}}%
しよう!
出力例: